゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


じめじめした草でし

っとりしてしまった

お尻を気にしながら

、彼は呟く。

「もう6月だもん。

雨の妖精がはしゃい

でるんだわ」

「そうなんだ。

あんたがはしゃいだ

らどうなるの?」

「あたしはまだ人の

身だもん。どうにも

なんないわよ」

「ふーん?」

体育座りで顔をあお

むける。頭は発砲ス

チロールでできてい

るので、肩こりの心

配はない。

「まだちょと冷たい

な」

少女はサンダルをぬ

いで、街灯を映した

川に足をひたした。

銀色の光が、小魚の

ように散っている

水面をほの白い爪先

が泳ぐ。

「危ないよ」

落ちたらあっという

間に流されるのだ。

表面のゆるやかさに

だまされてはいけな

いと、この町で育っ

た者ならば、幼い頃

から教えこまれる。