かなり痛くて骨が砕

けるかと思ったけど

、あたしの太い骨は

なんとか持ちこたえ

た。背中に降ってき

た彼のうめき声が、

かすかに届く。

「たいへん」

うつ伏せの姿勢から

、そぅっと体を起こ

し、少年をアスファ

ルトに寝かせる。

「大丈夫?」

うっすらまぶたを開

いた彼の頬に、ポツ

リと雨が降る。

ボツり、ぽつり。


「きゅ……う、急、

しゃ」

呼吸に近い声でつぶ

やく。痛いはずな

のに、少年は微笑ん

でいる。なんて強い

んだろう。泣いてる

場合じゃない。あた

しは涙をぬぐい、心

細さもぬぐい、ぐつ

ぐつと沸いてくるパ

ニックをおさえこん

だ。少年からしみだ

してくる血の赤さに

頭がくらくらする。