まさか、容姿のこ
とで思いつめて自殺
を……? こんなか
わいいのに。
信じられん思いで
少女を眺める。
「あの、お世辞とか
言わなくていいよ」
ぱぁっと輝いてしま
った顔を、恥じるよ
うに、女の子らしく
おおっている。
「あたし知ってる
の。ブスだって。骨
太いし……」
それは……。
「本気で言ってるの
?」
「うん」
「……まじかよ」
ブタはぽりぽりと後
頭部をかく。
「かわいいよ。なん
で自分でわかんない
のか不思議な
くらい」
「ほんとに?」
彼女は指と指のあい
だで、眉間にしわを
よせて、疑わしそう
にこっちを見る。
「お世辞じゃないよ」
「本当に?」
しぼんでいた表情を
再び明るくして、
恥ずかしそうにパン
プスのつま先を見る。



