「だめかな、やっぱ
もうだめだよね。無
理あるよね、わかっ
てるんだ」
寒そうに腕をくみ、
ぶつぶつとひとりご
とを言い始めた彼女
をまじまじと見る。
本気か？ なんだ
この質問、口裂け女
じゃあるまいし。
「ん……」
まつ毛は人形のよ
うに密度が高い。唇
は薄いのにふっくら
としている。淡いホ
クロが種みたいに散
った手足は長く、ス
トレートな髪は、少
し風が吹いただけで
も絡まりそうなほど
細い。胸の膨らみは
ひかえめだが、いっ
そ、かれんですらあ
る。
「かわいくないよ、
やっぱりこんな体…
…」
「かわいいよっ。か
わいいかわいい！」
思いつめたような顔
をした彼女に、慌て
て真実を言ってあげ
る。
