゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


「そ? よかった。

俺、菓子は結構作る

んだ。料理は全然好

きじゃないんだけど

……」

淡々と返していた彼

はなおのまつ毛にゆ

れる雫を見て、息を

つまらせる。静かな

表情に、

ゆらゆらと

なんとも言いがたい

波紋が広がっていく



「おいしい」

涙が玉粒になってポ

ロポロと落下する。

手の甲でぬぐっても

ぬぐっても、次から

次へと転がり落ちて

いく。

「泣くほどおいしい

よ」

苦しまぎれのごまか

し。返事はない。

彼は途方にくれたよ

うにこちらを見てい

る。

吉良とみゆがうるう

るしながら、大げさ

に抱きついてくる。

きみひろは魂を抜か

れたような目をして

いる。

「なんとかしよう」