「え……げつねぇ」
「姉貴っ」
なおの背にグラマー
な胸を押しつけて、
みゆが泣きはじめる
。
「姉貴っつうのやめ
れ」
バッグからだした
『夢みる手芸』
という本でパコンと
彼女をはたき、兄貴
は顔をひきつらせる
。
「ってぇ。兄貴なん
かに負けるかよ。な
おさん、弟子にして
ください! そんな
にボロボロでも学校
来てんの勇者っす」
弟子って、教える
ことなんもないんだ
けど。
なおは視線を泳が
せながらマフィンを
かじる。頬のつけね
がじぃんと痺れた。
「うまい」
ほろりと何かが頬を
すべった。
ぽろり、ぽろり。



