すっとんきょうな声
があがる。吉良たち
がわざとらしいくら
いに、顔をひきのば
している。
「おい、リンチされ
たのか?」
きみひろは、驚いた
ようにメガネの位置
を正す。
「うん。あれ、きっ
とそうだよね?」
「あれって?」
まあまあ座りなさい
と、きみひろの真向
かいに座らせられる
。彼はコンロに火を
かけ、流しの下から
紅茶の缶を取りだし
た。
スクールバッグから
、バターの匂いがす
る紙袋を抜きだす。
「リンチってみんな
にボコボコにされる
ことだよね?」
「そんなかんじだね
」
「2年のはじめ……
始業式の次の日にや
られたよ。あたし1
週間風邪で休んだで
しょ?」



