゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


ブタは気がぬけて、

うなずいてしまった。
草の間をすり抜けて

きた風が、すうっと

肌をなでていく。

今は口がないので、

飴はおなかのポケッ

トにしまう。

「何を聞けばいいの

かな」

サングラスをフィッ

トさせてあごをそら

す。

「よかった」

少女は眉間をひらい

て笑う。

「そうだなあ、改め

てきかれるとなんだ

ろうなあ。逃げよう

としたから、つい呼

びとめちゃった」

彼女はぽりぽりとほ

っぺたをかく。

「ねえ、あたしどう

かな?」

急にカチンコチンに

なって、

くる、くる、くる、

とひとまわりした。

布の薄いスカートが

自信なさげにひらひ

らする。

「ん?」

「あの、かわいくな

いかな?」

目を点にしたブタに

少女はうつむく。