彼は胸を張って断言
した。
「えー!?」
また声が2重になっ
たので、ふたりは顔
を見合わせた。
「ありえないっす…
…あのゆみさんに」
「覚えてない」
「自業自得だな」
アルトの声がして、
1名を除いた全員の
視線が入口に集まる
。
あきっぱなしになっ
ていた戸口を前にし
て、カフスと襟元の
ボタンをはずしたき
みひろが、中指でメ
ガネをおしあげる。
「豊富のやることに
大した理由なんてな
いけど、そんなこと
したら、ハブられる
に決まってる。
直角、特に何も目立
ってないし、良くも
悪くも普通って感じ
なのにターゲットに
されてるのにはそう
いうわけがあったん
だね」
つっけんどんに言
い、切りつけるよう
な目をして入ってく
る。



