生まれてはじめて、
泣いたと思った。
肌が、喉が、心臓が
、髪が、爪が、全身
が悲鳴をあげていた
。体がしぼられるて
いるみたいだった。
痛みも熱も遠のくく
らいに悲しかった。
こんなに悲しいのに
誰にも気づかれない
ことも哀しかった。
お母さんにもお父さ
んにも見知らぬ人に
も花をふらせる、頭
上の木にも、あたし
の気持ちなんて伝わ
らない。だってこの
みにも伝わらなかっ
たんだから。
視野が
塗りつぶされていく
ような孤独、嗚咽、
涙。
泣きつかれた夜空は
、どこまでも高かっ
た。ガラス質の裸石
を、めいいっぱい
ばらまいたような
光。それ包むクリア
な暗黒。



