「死んでも断れ」
「死んだらみゆとも
デートできなくなる
けど……」
「やっぱ死ぬな」
浅黒い首をたてにふ
り、気どったしぐさ
で髪をかきあげる。
「だから吐きそうに
なりながら、放課後
、ゆみを迎えに行っ
たわけよ。教室まで
。そうしたらさ」
宝石を埋めこまれた
みたいに目を輝かせ
て、どこぞのシスタ
ーみたいに指を組み
合わせる。
「なおちゃんとゆみ
が窓ぎわにいてさー
、なおちゃんカーテ
ンしめてるとこだっ
たっしょ?」
「え」
そうだったっけ?
始業式の日のこと
なんて、どしゃ降り
くらいしか思い出せ
ない。
春の夕べの雲
を薄くそいだような
花弁が、ぼとぼとと
降ってきた。



