「嫌われてるだけっ
ていうか」
いじめられてるだ
けっていうか。
とりあえず彼女の
声に悪意はなさそう
だ。
「だーかーらー!
ひかえめに言わなく
ていいんだよ。俺、
見ちゃったんだから
ー!」
なにを?
なおと少女は激し
い金髪に、視線をむ
け、頭をかたむける
。
「なおちゃんがあい
つに、ビシッて言っ
てるとこを、さ」
机の上に立ちあがり
、彼は歌うように両
手を広げる。
「春、あれは桜の降
る頃……」
急にゆううつな表情
になって、語りはじ
める。スポットライ
トの幻でも見えてき
そうだ。
「あれは始業式の…
…くもった午後のこ
とだった」
苦悩した表情で、空
の絵をあおぐ。



