常居の背にしていた
戸が勢いよく外れ、
コントみたいに容赦
(ようしゃ)なく、
彼の頭に直撃した。
口も目も最大限に開
ききり、指で宙をひ
っかきながら、がく
りとヒザをおる。
ポロシャツのポケッ
トから女の裸体をか
たどったライターが
落ちた。肌色で……
リアルだ。
うわぁ~。
戸をどけてあげよ
うとのばした手を、
サッとひっこめ、ど
んびきする。
「よぉよぉよぉ!」
長方形に切り取られ
た景色から、明るい
声をかけられた。
常居を下にしいた、
鉄板の上を、きんき
らが歩いてくる。緑
の落葉が吹きこんで
くる。
「き、吉良くん」
思いがけない再会に
ビクッとする。とっ
さにゆみ達の視線を
探した。彼の背後で
は、ただ、木々が
枝先をふっている。



