ベルベットなんて手
芸店でさわったこと
しかない。
いつかカーテンで
も作りたい
んだけど……
高いんだよね。
それに座っている
なんて。
「はいこれ」
ボールペンと折りた
たまれた黄色い紙が
前に置かれた。現実
に引き戻される。
「入部届け? 小テ
ストは」
「嘘だよん。全然普
通だったから、気に
しないでいいよ。そ
れよりそれ書きなさ
い。そしたらおやつ
やるから」
語尾をはねあげて手
をすりあわせ、にま
にましている。
「だましたんですか
……あたし、お菓子
なんかに釣られるほ
ど子供じゃないです
。だいたい、なんで
そんなに入れたいん
ですか」
だまされたことに
むっと、してにらみ
つける。



