「あたし、透視でき
るの」
少女は落ち着いた表
情でこんなことを言
いだした。
え~と……。
ぶわっと背中があ
たたかくなる。
透視って……?
「そうだ。あたしは
ね、妖精なのよ。だ
から透視できるの」
……陽性って?
つい最近聞いたよう
な。たしか予防注射
やったよね。
ブタはぷきんとヒ
ヅメをたてる。
「ツベルクリン反応
が、どうしたの」
「ぼけてんのかよ!
精霊だよ精霊っ。虫
みたいな羽がはえて
るやついるだろ!
あれだあれ!」
少女は低く声をあげ
て、こぶしをにぎり
しめる。
「はぁ……」
どっちがぼけてい
るのか。それとも本
気なんだろうか。
だとしたらこの子、
かなり危ないやつか
もしれない。
じりじりと足をひ
いていく。少女はそ
んなことにはかまわ
ず、キリっと表情を
ひきしめて奮然と立
ちあがった。



