さっさと追いこし、
ずんずん先を歩いて
いく。階段だってお
りちゃう。早く教室
から離れたい。みゆ
達にあとをつけられ
ているような気がし
て落ち着かない。
そうして、職員室の
前まで来た。
部室や体育館の鍵を
取りにくる生徒
が出入りしている。
ちりめんじわみたい
な加工を施された壁
によっかかり、なな
めに射しこんでくる
陽光に体をさらす。
澄んだレモン色の空
気の中に、こまかい
金糸がきらきらと
よどんでいる。
カチリカチリと鳴る
氷。ミントでも浮か
べてくれたら最高
だ。彼女は急にレモ
ンジュースが飲みた
くなった。スカッと
吹き抜ける風のよう
な。
「おい」



