「まあ席につけー。
係り委員会から連絡
あるか?」
「なーい」
口々に叫ぶ。
「元気いいな~みん
な。じゃあ解散」
彼がほんわり声をは
りあげた途端、イス
を引く音が重なりあ
い、我先に我先に男
子達がかけだしてい
く。押し合いへし合
いしながら戸口に密
集して、はしゃいで
いる。そんな喧騒を
ぬって、針みたいに
冷たい視線がむけら
れているのを感じ、
なおは動けない。ゆ
み達だ。蛇ににらま
れたカエルってやつ
だ。
「直角、おまえ居残
り。小テストのでき
最悪~先生頭痛いわ
~」
ほわ~んと間のびし
た声に、肩の力が抜
ける。
「……え」
「え、じゃありませ
ん。居残りです。さ
っさと荷物まとめな
さい。職員室でお説
教です」



