「駄目ならこんなこ
としない」
いつもと変わらない
無表情。
本当に?
疑い深くあたりを
見回す。
ゆみ達がでてきて
笑ったりするのかな
。
廊下をのぞく。ゆ
み達はいない。
「だって……あたし
嫌われものなのに」
嬉しいのに、素直に
信じられない。どう
喜べばいいのか、表
情筋が迷っている。
体中がこわばってい
て、泣き笑いのよう
な顔になる。
ばちんっ。
ほっぺたの中央から
弾けるように、軽い
痛みが広がっていく 。
なおの頬を挟んだ、
田中きみひろは唇を
への字に曲げる。
「誰が嫌いって言っ
たの」
「いひゃい」
「痛いじゃねぇ。答
えろ」



