無為に過ぎていく時間
特に仲良くもない2人は雑談などもしていなかったが、日も沈んで来た頃
フェイトは何気なく聞いてみた

しかし、ヴォルフはキョトンとしてしまった


「何でって……」

「あの子と何かあったとか、嫌う理由があるのか?」


ディンやブラッドとも、とフェイトは問うてくる
改めて考えてみれば……


「……別に、あいつらと何があったわけじゃないけど」

「何もないのに嫌いなのか?種族がバンパイアってだけで」

「昔からだ!奴らは俺たちのナワバリを荒らす!」


ヴォルフは毛を逆立てて、背中合わせに座ったフェイトに向き直る

だから、と言い掛けたところで視線をよこしたフェイトと真っ直ぐ目が合った


「でも、あいつらが荒らしたわけじゃないんだろ?」


ヴォルフはグッと押し黙る
フェイトの言葉に責める色はない
ただ、純粋に質問をしているだけなのだろう

だが、その言葉はヴォルフに衝撃をもたらす