グダグダと言い募るフェイトを無視して、ヴォルフはヒョイっとフェイトを背負った
「ごちゃごちゃ言うなって。行くぜ!」
「わぁ!?」
到底人間とは思えない俊敏さで洞窟の岩場を駆け抜けて行くヴォルフにフェイトは驚愕する
「まっ、待て!ヤバイ!」
「えっ?」
ガコッ
一際明るい光が2人の目を焼いた瞬間、ヴォルフの飛び移った足下の岩が崩れた
「「ウァァァァア!?」」
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そして今に至る
明るかった陽光も薄闇に変わり、お腹も空いていた
2人は洞窟を抜けることはできたが、今は深い森の中に居る
洞窟の出口は崖につながっていたようで、そこから落ちたヴォルフは足をくじいてしまった
だから、フェイトの助言に従い木の下で大人しく座っている
「メディアって広いんだな」
「そりゃ、都市だしな」
「……なぁ、ヴォルフはなんでバンパイアが嫌いなんだ?」


