パチリと目を覚ませば、珍しい金色の瞳と目が合った
「おい!目、覚めたか?」
真っ直ぐに見つめてくる『人間』は、薄暗い場所に横になったヴォルフの顔を覗きこんでいた
何度か瞬き、辺りを確認する
湿った匂いと反響する水音をゆっくりと確認する
すると、いきなり頬をつねられた
「いってぇ!何すんだ!」
「返事くらいしろよ」
勢いで上半身を起こせば、視界もはっきりとしてきた
「どこかは知らないけど、洞窟みたいだぜ」
すぐ隣に腰を下ろして少年はため息をついた
「なんか俺巻き込まれてばっかだなぁ……なぁ、俺はお前がぶつかって来たことしか分かんなかったんだけど。あの子と喧嘩して何があったわけ?」
水滴のしたたる反響音が静かに聞こえる
ヴォルフとて魔法を使い生きてきたのだ、今の状況がどういったものかある程度分かっていた
「……あの時」


