フェイトは初めて見たが、その少女を見たディンとブラッドは珍しくそろって苦い表情になった
「……またか」
「あんまり関わらない方が賢明だねぇ……」
そういっている間にも言い争いはヒートアップしていた
「あぁ、わかってる!おまえらがイケスかねぇ無法者だって事はな!」
吠えるように怒鳴り付けるヴォルフに、少女は更に油を注ぐ
「武器も仕えない野蛮な獣に言われてもね」
鼻で笑い、腰にさした細身の剣を挑発するように傾けた
ヴォルフは鋭く琥珀色の瞳で少女を射ぬく
ピリピリとした緊迫感と武術科の生徒のまたか、という空気が流れてフェイトは居心地が悪い
「……なぁ、あれ止めなくていいのか?」
「いつものことだから、ほっときなよ」
ディンは肩をすくめただけだったが、フェイトは傍観者ではいられなかった
「俺、先生よんでくるよ」