メディアには様々な学科があるが、クラスはそれに関係なく決められるらしい
だからクラスはAからZまで単純に分かれている
フェイトの名前はAクラスにあった
Zクラスで全部のクラス表を見る手間がなくてすんだ
しかし、最悪だ
(ベステモーナ・アイスバーン………)
その名前があったからだ
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「皆さーん、あたしがAクラスの担任の先生!プティ・スプリングでーす。プティ先生って呼んでねー」
Aクラスの教室
その教壇の前で、無邪気に微笑んでいる童女、いや、彼女自身が言うには先生が妙に間延びしたしゃべり方で手を振っている
動きや、小さな身長から見れば幼い女の子にしか見えない
「あたしの種族はー妖精なんだよ。みんな色んな種族だと思うけどー喧嘩しちゃ、メッ!だよ?」
指をたてて可愛らしくメッ、と言うが全く迫力がなくて気が抜けてしまう
妖精というが、本当に背中に薄い羽が四枚ある
髪は薄い桃色で羽も同じような薄いピンクだ
ベステモーナ・アイスバーンはフェイトの斜め前に座っている
しかし、何でよりにもよってあの女と同じクラスなのだろう
先生は喧嘩しちゃダメだというが、爆弾はそこら辺にある気がする
ついさっき、火を付けられたばかりだ
俺の懸命な消火作業があったおかげで喧嘩にはならなかったが……
だが、やはり爆弾に火を付ける奴は居るもんだ
「なぁ、お前『人間』なんだって?」
爆弾投下
「そうだけど?」
直ぐ後ろからかけられた声に顔だけで振り向き、素っ気なくうなずく
相手は挑戦的な視線と笑みを送って来た
そいつの姿には内心驚く
ヤンチャそうな顔立ちに、丸いが鋭い光の宿る瞳は琥珀色
しかし、それよりも目を引かれるのは本来、耳のある場所にあるフサフサなもの
(犬だ、犬の耳だ……)
漫画に出てくるように頭の上にある訳ではないらしい
焦げ茶色の硬質な毛におおわれた犬耳……
そして、フェイトの視界にチラチラと現れる同じ毛色のシッポ……
「お前、人間のくせに出来損ないなんだってな?」


