でも、とベステモーナは息を漏らした
「でも、何かを理解しようとする姿勢は良いことです。デスイーターを知らない環境にいた事はフェイトのせいではないですからね」
フェイトはベステモーナにニッと笑って見せた
パシィやレクル、いや、この学園にいるほとんどの生徒が故郷で、多少なりともデスイーターと関わっている
先程のフェイト質問はデスイーターに襲われた経験のあるものからすれば、無神経に聞こえるだろう
けれど、フェイトは真摯な瞳で問うてきた
ベステモーナはフェイトにデスイーターについて簡単に説明している
パシィは『人間』を初めて見たわけではなかった
こちらの世界は人間界と完全に隔たっているわけではない
簡単に言えば、薄い薄い壁で隣り合わせに存在している
パシィの故郷ではたまに人間界と交わる事があった
あちらにはデスイーターが現れる事はめったにないらしい