演習場でディンは生き生きと楽しげに、同じくパシィも黒曜石をはめ込んだような瞳を細めて笑っている
しかし、その間にも激しくぶつかり合っている
制服に掛けられた魔法のため、致命傷になるような傷は負わない
だが、衝撃だけはダイレクトに伝わるようになっている
真剣な戦いの匂いを滲ませる演習に、フェイトは感嘆の眼差しを向けていた
ベスはそれを横目で眺める
ついこの間あったクラス対抗戦
それが終わってから少しフェイトの魔法に対する姿勢が変わったようにベスは思う
「2人とも凄いな……魔法は本当に武器にしか使ってないのか?」
「……武術科の生徒は肉体がもともと強靱なの。だから武器に内蔵された術式にだけ集中してるの」
へぇ、と頷きながらフェイトは模擬戦から視線を外そうとはしない
すると、戦況は変化した
一際高く跳躍したパシィが身体をひねり、足の鉄鋼をすりあわせる
すると、パシィの動きに合わせ鋭い風が沸き起こる
それは、鎌イタチとなりディンに襲い掛かる
人垣の隣でフェイトが息を呑む
しかし、ディンは不敵に笑い長剣を構え身を屈めた
鎌イタチがディン……いや、ディンがいた場所の地面をえぐった
ディンは銀の軌跡を率いてパシィの頭上に舞い上がる
「貰った」
ニッと笑いパシィに向かって長剣を振り下ろした


