ベステモーナは過信でなく、自覚していた


自分は魔法学園に行っても並の生徒では自分の相手にならない程に、強い力を持っている


父や母はメディアに行けば大切なものを得られると言ったが、ベステモーナはあまり期待はしていなかった


しかし、ある噂がアルフヘイムに流れてきてベステモーナはきっと楽しみにしていたのだ


『人間』が百年ぶりにメディアに入学する



しかし、その淡い期待は裏切られる



学園では魔法を使うにあたって様々な制限がある
ベスは入学式が行われる大講堂前、それに触れない程度に魔法を使った


『人間』の噂を聞いて直ぐに索敵したのだ
力の程を知りたくて、一族に伝わる魔法を使った


それは魔力の強さを光にする


索敵範囲がまるで夜空の様に頭の中だけで展開する
夜空の浮かぶ星のように、入学式に集まった生徒が一人一人小さな光を放つ


その中に異質な光を見つけてベスは眉をひそめた
この魔法はある程度種族の違いがわかる
人間の光を見つけて眉をひそめたのではない


その光があまりにも鈍い光をしていたからだ


光が強ければ強いほど魔力の強さもわかる
ベスの頭の中で展開する夜空には自身も含まれている
それは自惚れでなく、ここに集まった新入生の中で一番の輝きだ
他にも有望な輝きを放つ者はいるにはいる


しかし、その『人間』の輝きはあまりにも鈍くくすんでいた