ベステモーナ自身は魔力を消費し過ぎるのでそこから動くことは出来ない
(さすがにアイスバーン家の守りは魔力を食いますね。けれど、奴らと戦う為のこの力………)
ベステモーナは校庭に追い込まれたIクラスを見てにやりと笑みをこぼした
「迎撃開始!」
激しい轟音を奏でた校庭にはIクラスは殆ど立っていなかった
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フェイト達は幾つかのトラップを解除し、森を進んでいた
そこへ、紙で出来た鳥が現れる
「ベステモーナ達からの連絡だ」
パシィが手を出せば、その鳥は手にとまり用件を告げる
『Iクラス本陣は潰した。おそらく、あと20人ほど残っていると思われる。トラップを解除しつつ裏門に行って、ばらけたIクラスを見つけたら潰せ』
紙鳥はそれだけいうとボロボロと崩れて塵になる
「作戦は成功したみたい」
「では、裏門に向かいましょうか」
レクルが言って、フェイト達は裏門に向かった
丁度、行動していた場所が裏門に近かったため、直ぐに着いた
「誰にも会わなかったな」
フェイトがブラッドの背中から下りて言うとパシィは苦笑した
「残念だ、初めての対抗戦だから腕試しが出来ると思ったのに」
「仕方ないわ。Iクラスの本陣が潰れたのならこちらには追ってが来ないもの」
レクルはやや淡々と事実を述べた
1日をかけて行う対抗戦は相手のクラスを全滅させれば勝利となる
しかし、制限時間がある
朝、9時から開始して夕方の6時までクラス対抗戦は行われる
相手をいち早く全滅させればそれだけ早く終了となるが、誰か1人でも残っていれば追走劇を演じることになる
Iクラスはすでに半分程の人数倒れている
Aクラスは残りを追撃しているだろうが、Iクラスの者が探索班をわざわざ倒しに来るとは考えにくい
それを追い込む作戦が上手くいっていれば、そのうち裏門に誰か現れる
フェイト達はとりあえず裏門の影に隠れる


