やけに真面目に、と言うよりも真剣そのものに皆作戦をたてている
(……何でそんなに一生懸命になるんだろうな)
ディンは欠伸をしているが………皆真剣に話をしている
普通、高校生程の年齢の少年少女が集まれば話を聞く者8割、聞かずに私語をする者2割といった具合だ
しかし、話を聞かない者は1人もいない
人間である自分の基準で考えているから変な違和感があるのだろうか
「フェイト」
「えっ?」
不意にベスに呼ばれた
教室の前にある黒板にかかれたメディアの見取り図の一部を指してベステモーナは言った
「フェイトはこの2人と一緒に森に仕掛けられたトラップを探して下さい」
クラス対抗戦は都市部出はなく学園内で1日かけて行われる
ルールは簡単だ
相手のクラスを先に全滅させればいいのだ
最初は驚いたが、別に命の危険はないらしい
先生達の魔法で大きな怪我はしないし、ある程度ダメージを食らえば自動的に動けなくなる
魔法を使い、対戦相手を全員動けなくすればよいのだ
学園内と言っても広大な敷地には魔法を派手に使えるだけの広い森もあった
「ここにトラップがあれば厄介です。貴方はパシィとレクルさんと一緒に索敵係です」
言われて紹介されたのは2人の女の子
1人は長身でスタイルが良いが、目を引かれるのはその瞳だった
白目のない黒く切れ長の瞳
まるで黒い宝石をはめ込んで居るようだ
「パーファシイ・メル、パシィでいいわ。よろしくね」
さっぱりとした話し方が似合うが、その中に何処か勇猛な雰囲気も漂っていた
もう一人は背の低い、羽があるので恐らく妖精の少女
ベージュ色の長い三つ編みをしていて、鼻の上にそばかすが散っていてそれが可愛らしく見える
「レクル・フィートです。よろしく」
ちょこりと小さな頭を下げたレクル
三つ編みは床につきそうな程長い
「フェイト・クロウリーだ。……俺、あんまり何にも出来ないけどよろしく頼むよ」


