魔法学園‐メディア‐




「ちょっっま、ディン!ブラッド!」


2人を呼ぶフェイトの声は必死な何かがあったが、2人にはどうすることも出来なかった



後日、フェイトは3日間、体調不良で休んだのだった


ブラッドはベステモーナを止められなかったことを悪く思い、3日間
寝込んだフェイトにちゃんとした食事を届けた………



********



「裏切り者ども……」


地を這うような声はフェイトのもの
何とか体調を戻してクラス対抗戦の作戦会議に参加していた


「ごめんってばー」


特に悪いと思っていないような軽い調子でディンは謝る


「でも、あの後ご飯あげにいったでしょ?」

「メシ用意してくれたのはブラッドだろ!」

「あはは」



フェイトは飄々と笑うディンを睨み付ける
フェイトはこの天空に浮かぶメディアに来たときはここは天国だろうか、と感慨にふけったものだが…………本当に天国に行く所だった


そんな殺戮兵器を造り上げたベスは、クラスメイトを前に堂々と立っていた


「では皆さん静粛に、これからクラス対抗戦に向けて話し合いをしたいと思います」


教壇に手をついてまるで委員長のようなベステモーナに視線が集まる


仮にも学園なので、クラス担任はいるし、それぞれの教室があるがメディアでは生徒の自主性を尊重している
だから、係り等は厳密に決められてはいない
クラスで何かをする時はやはりリーダーシップの有るものが自然とクラスをまとめるのだ


しかし、クラスに1人は無鉄砲な奴が居るものだ


「話し合いなんてムダムダ。俺がドカッと倒してやるぜ」


ブォルフ・シュタイン
人狼族特有のフサフサの耳とシッポのある少年は得意気に言い放ったが、クラス全員がガクリと肩を落とした


「ブォルフ君、少し黙っていて下さい」


ベステモーナはブォルフの発言を冷たく切り捨てる
フェイトの隣に座っていたディンが可笑しそうに吹き出せば、ブォルフはピクリと耳を動かしてディンに指を突き付ける


「おいコラ!お前笑いやがったな!」

「あんまりにも愚直だったから」

「何おぉぉ!!」