「いや〜オ・レ・のおかげで一番!」
「まぐれです」
冷たくむくれてベステモーナが言うがフェイトただ不敵に笑った
「やっぱ、一言多い」
しかし
課題である5つの薬草をどの班よりも早く探し当てたフェイト達の班は先生にとても良く誉められた
フェイトは自慢気な顔をしていたが先生の朗らかな言葉に固まった
「それでは、次の課題よ」
*****
薬品や試験管の並んだ机にフェイトは突っ伏す
「また課題……」
「……薬草の調合だから、私がんばるね」
ジェイミーが戸惑ったように笑う
フェイトはその笑顔を見て、彼女は眉を下げて笑うのがクセなのだろうかと思った
「フェイトもちゃんと調合書を読みなさい」
まだむくれた様子のベスは当て付けのようにフェイトを呼び捨てにした
だが、それはまだかわいいものだ
「はーいはい」
適当に返事をして、フェイトはめんどくさそうに調合書を読み始めた
「ファンドラの奇草は………磨り潰す」
ジェイミーが考えながら呟く
「ベステモーナさんは……マーマン昆布を水に溶かして下さい」
ジェイミーが控えめな声でベステモーナに言うと
「ベステモーナでいいわ」
「あっは、はい」
ジェイミーは気軽に告げたベステモーナの言葉に嬉しげに頬を赤らめた
ベステモーナは支持に従いつつ調合書を読み進めるが、ふと気が付いてジェイミーを見た
「そう言えば、ジェイミーは人魚族よね?」
「あっはい、そうです」
「だから薬草にも詳しかったのね」
「いっいえ!……たまたま海藻類が多かったからで……」
ふと、その会話にひっかかってフェイトは調合書から顔を放す
「人魚?ジェイミーが?」
「うん、そうだよ」
うなずいたジェイミーの足を見てフェイトは呟く
「足アルじゃん」
「当たり前よ、水の中じゃないんだから」
言ったのはベスだった
「人魚族はある程度魔力が上がると人間に似た姿になるのよ」
その時、ブルルルと音を立てて薬が出来上がった


