もうすぐ冬休み
幻想的な水の都からメディアはゆっくりと離れていく
ビーンはいつもの屋根の上でそれを眺めていた
結界魔法に関わる事のできた生徒達は未だ興奮した様子が消えない
明後日から3回目のクラス対抗戦が始まる
幸い、ビーンのクラスの日程は気になる戦いに被っていなかった為、ゆっくりと観戦ができる
もちろん1年Aクラスだ
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「俺が奇襲班!?」
フェイトは割り振られた自分の役目に驚いた
「俺と一緒だな!ガンバローぜフェイト」
驚くフェイトの肩を叩いたヴォルフはずっと相手の本陣を狙う奇襲班を担当している
朗らかにヴォルフは言ってくれるが、フェイトは眉をひそめた
「て、言ってもなぁ……俺、まだたいして使える魔法ないのに」
「大丈夫だって、俺とやった時みたいなドカーってしたやつヤレヨ」
身振りで実戦演習の時にフェイトが放った魔法の事を言っているのだろうが、その仕草がやけに幼く見えて自然と頬が緩む
ヴォルフとは最近は仲良くやっている
リーバの魔法に巻き込まれた辺りからだろうか?
たまに打ち解けて話す程度には仲良くなったと思っている
……場合によっては面倒な事になるが
「あーあ、またフェイトと班違うね」
のしっとフェイトの肩にディンが腕を回した
飄々とした態度で挑発するようにディンは笑った
ヴォルフは一気に機嫌を悪くしてディンに噛み付く
「お前は第二部隊何だからこっち来るなよ!」
「まだ開始の合図はされてないんだから、どこへ行こうと僕の勝手でしょ?」
「おーおー!そうかよ、なら目障りだからどっか行けよな!」
「ヤダ」
小学生並の口喧嘩をしている2人を呆れたように見て、フェイトはベステモーナを見た
忙しなく他のクラスメイトに指示を飛ばしている
実質的にAクラスのリーダーはベスだ
1度目は圧勝
2度目はじっくりと追い詰めた
3度目は実験的にすると言って大胆な配置換えを提案した


