魔法学園‐メディア‐




「あっ、いや……その」

「ん?」


別に悪い事をしている訳ではないが居たたまれない


「1年生がこの隠し部屋に入ったようなので、心配で」

「そうか、それはいけないな。なら、私が彼を連れ戻そう。これで君の心配はなくなったね」


そういわれてしまえば、ビーンはその場から立ち去るしかなかった


(……けど「彼」っていったよな……やっぱアンジェリーナ先生はフェイト・クロウリーを気に掛けてる?それにあまり周りを関わらせたくないのか?ああいった事がよくある感じだった………それに彼はここの所、成績が順調に伸びている。不自然なほど自然だと思うのは私だけか?)


仕入れた情報は整理出来るほどまとまってはいない
謎は深まるばかり


そんなある日


ビーンの友人がフェイト・クロウリーらと接触したと聞いて、すぐさま会いに行った



*******



「ウル・ルウ!人間君と会ったって本当か?」


煩雑としたいつもどおりの部屋に入れば眠たげに友人のウル・ルウは返事をした


「ふぁ……そうだよぉ」


上体を起こしたのか、その反動でバサバサとまわりに積み上げられた資料が落ちる
心なしか前より本が増えている気がした


「なんの話をしたんだ?」


ビーンは寝呆け眼のウル・ルウを抱き起こす
小学生程しかない体格の彼を抱き起こすのは簡単だ


ちなみに、ウル・ルウとビーンは同じ種族だ
研究者肌な2人は学年は違うが仲が良い


「うぅ〜その事なんだけど、ビーン、ごめんね」

「へ?なにが?」

「アンジェリーナ先生から口止めされたから、言わない」


ビーンはあんぐりと顎を落とした


「くそ〜!!先を越されたいや、まて、私は口外しない!だから話してくれ!」


ウル・ルウは首をかしげてビーンを見上げた


「んん〜ダメかな。ビーンは止まらなさそうだし……でも……見てたらすぐわかると思うよ」


珍しく微笑む小さな友人にビーンはため息をついた