「アイスバーン君は言わずもがな、かなり優秀だ。代表者入りは確実だろうね」
ビーンの視線の先には、また魔法を不発させた人間の少年が周りから何事か言われている
それに煩そうに答えてから、少年はまた魔法を発動させようとしていた
「2人目は……何人か候補はいるけどねぇ」
「ビーンが気になってるのは?」
「……人間君」
サンドラは少し眉を下げた
「戦力にはならないと思うけど?あっ」
そして、また魔法を暴発させて慌てていた
ベステモーナは呆れたように小言をもらし
バンパイアの双子の1人は大笑い、もう1人は我関せずといったように本を読んでいる
いつも、このメンバーで行動しているようだがかなり目立つ
「周りは派手だけど」
「うーん……でも、彼自身に何かある気がするんだよ」
たまたま、この学園に人間の少年が入って来たとは思えなかった
それを思わせる事もあった
「サンドラ、私がクラス対抗戦をのぞかせてもらってたの知ってるだろ?」
「まあね。代表選抜の為でしょ、それが?」
「……アンジェリーナ先生がな……多分、私の遠視魔法を数分妨害したんだよ」
サンドラは目を瞬かせた
ビーンが上級生を代表して1年生の観察をしていることは知っているはずだ
美貌のハーフエルフ、アンジェリーナがわざわざ邪魔をするか?
「どういった状況?」
「Aクラスの戦闘が佳境に入ったあたりだったかな……少数で移動していた人間君を見ようとして……裏門辺りだったな」
見せたくない何かがそこであったのか?
「そう言えば……少し前に授業でトラブルがあったらしい。その時、アンジェリーナ先生は人間君と関わったと聞いた」
「サンドラ!それは本当か!?」
ビーンは思い出した
そう言えば、なかなか危険な薬が暴走したと聞いた覚えがあった
だとしたら……


