私は今、言葉を失う
私は言葉を選んだりしない
最前の道を見据えていればそんな必要はなかった
私には力がある
頭も良い
なのに……何故か言葉が出てこない
リーバとフェイトが学園に戻った後、ジェイミーに訪ねられた
『ベステモーナは何か……恐いの?』
ベステモーナは言葉を失う
よたよたと帰って行くフェイトの背中を見ていた
『私が?何を……恐がるというのですか?』
『だって……何か言いたそうなのに……言葉に出来ないでいるみたい』
このところ、言いたい事が喉元までせりあがって来るのに
何故か、声にならない
今、この時でさえ
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「俺はサクリファイスになってもかまわない」
ベッドに腰掛けたフェイトが言った
ブラッドはただ目を見開くばかりで、ディンは険しい表情で黙りこくっている
リーバは部屋のすみで静かに事を見守っている
そして
私はただ言葉を失うの