「マジかよ……その話」
「この学園じゃ有名ね」
「だから家賃安かったのか、んっ?」
また白い紙切れが降って来た
『そうではない。オーナーである私が優しいからだ』
オーナーのマックスからだ
やはりこの中央フロアはマックスがいつも監視しているに違いない
「はいはい、……て言うかさ。ベスは何でそんなとこに部屋借りたんだよ」
「私はこの洋館の柱が気に入っているの」
「……それはナンデスカ」
ホントにベステモーナと言う人物は不思議だ
みんなこうなのか?
いや、違うはずだ
「私たちエルフ族は森の木々と心を通わせることができるの。古い木には精霊が宿るものよ」
「だからか……」
確かに古い木?というか木材なら、この洋館はちょうど良いだろう
年季の入った建物だ
「この洋館は私だけかと思ったのに」
「お前は何号室なんだ?」
「私は二階の103号室よ………」
一階と二階に分かれる階段の前で、何気なく聞いたらベステモーナは急に目をすがめてフェイトを見た
微妙な視線を送ってくる
「なんだよ」
「いいですかフェイト君。基礎的な魔術も使えない君が私の部屋に侵入しようとしても返り討ちにあうだけですよ」
「誰が侵入するか!!」
直ぐ様突っ込んだが、ベステモーナはつかつかと階段を登って行った
良い奴だと思ったが…………前言撤回
そこに、またしてもヒラリと紙が落ちて来た
『二階は女子専用だから行くなよ(笑)』
「誰が行くか!!!」
フェイトは力の限りその髪を床に叩きつけた