「それって大変な事なのか?」


フェイトが疑問を投げ掛ければ、人差し指を立ててベスが言った


「当たり前です!結界の魔法術式は大抵どこの国でも最重要機密なの。外部に漏れたら一大事よ」


当たり前のようにメディアには結界があるため、フェイトは結界にそんな機密性があるとは思わなかった


「あぁ……って、確かにそんなのに学生が関わっていいのか?」


今更のように事を理解したフェイトが驚くように言うと、ジェイミーは困ったような苦笑を漏らした


「噂だと、魔法術式には生徒は触れないらしいわ。5、6年生の中でも封印や結界魔法に秀でた生徒を集めて、あくまでも体験させるのが目的らしから」

「つまり、効果範囲の媒体なのですね」


広大な魔法を使うには魔法術式を繋ぐ媒体が必要になる事がある
主体となる魔法使いがいて、魔法術式を繋ぐための魔法使いが魔方陣の中継をするのだ


「まぁ、俺たちには関係ないのか」

「そういう事」
「!?」


フェイト言った瞬間、後ろから腕が回って肩に体重がかかる


「ディン!」

「せっかく外出出来るんだから早く行こう」


ディンはヘラヘラと笑って見せる
その後にはブラッドも無言で控えていた


「時間は?」

「もう過ぎてるよ」


外出時間は朝の10時からだ
フェイトはベステモーナに顔を向けた


「ベスもヒマだろ?コウガの街に行ってみようぜ」

「……まぁ、付き合ってあげてもいいですけど…」

「よし!決まり。ジェイミーは?」


変な間があったがベスは了承した


いつもの連れと、違うクラスだがよく授業でグループになることの多いジェイミー
余り学校外で一緒に行動しないので誘ったがジェイミーは残念そうに首を横に振った


「ごめんなさい……私、最初は街以外の所に行きたくて……」

「そっか、じゃあしょうがないな」


ムリには引き止めず、フェイト達はジェイミーと別れ


水の都、コウガへと向かった