それはディンの難解な性格を受け止められている時点でわかる
ブラッドは気付いてはいない
ディンが執着している対象は、フェイトだと考えているのだ
兄弟愛はブラッドの思考の中にはない
ディンは確かにたった1人の兄弟で大切であることにはかわりないが、異常に執着するモノという意識はないからだ
「執着……」
それを言うなら、フェイトへの執着はどうだ?
いつだったか、ディンは大嫌いだと言った
嫌いなモノは見向きもしないディンが、なぜあんなにフェイトと一緒にいたがるか
それは自分にもいえる……言って良いのか
スヤスヤと寝こけるフェイトを見やる
「俺たちの初めての………友達だから……かな」
なんとなく……距離を推し量りにくいのは
気まずくなった時、どうしたら良いのかわからない
『友達』ならどうするだろう
友などないに等しいブラッドとディンの初めての……
フェイトは不器用な2人を理解している
だから、ケンカ(?)をしたのにすぐに許してくれるのだ
あどけなく笑っているのに、そう思うと、何故かフェイトがずっと大人に見えるのだ………


