自信ありげにヴォルフに返したフェイトだが、クラスメイトの対応は違った
フェイトは決して超人ではないため、何メートルも飛ぶ事など出来ない
派手に演習場に降り立ったヴォルフとは違い階段で降りれば、励ましの声をかけられる
「がんばって!」
「とにかく守れよ!ヴォルフは手加減出来ないやつだからな」
「ダァー!前とは違うって言ってるだろ!!」
はやしたてるクラスメイト達に怒鳴ってから、足早に階段を降りていく
皆、フェイトを甘く見ている
しかし、とフェイトは考える
それは事実だ
基礎魔法すら使えないのなら、そう思われても仕方ない
だが、フェイトは前とは少し違う
不敵に笑ってフェイトはヴォルフの前に立った
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ベステモーナはブラッドと共に観戦席に上がる
ディンが笑って手を振るので傍に腰をおろした
「お疲れ様」
「どうも。それよりフェイトとはどうですか?」
ツンとした態度でディンとブラッドを見たベス
下からディンがフェイトの隣に居たのを見ている
「ベスって、けっこう意地悪なんだね」
どうでも良さそうにため息をついたディンをベスは睨んだ
「どちらもぐずぐずとしているからです」
「どっちが……」
「何ですか?」
揶揄するように呟いたディンを冷たく見やる
諦めたように一つ息をついてディンは言った
「したよ……『仲直り』でも、フェイトは馬鹿だよ」
「貴方達もだと思いますけど?」
「ベステモーナもね」
人の悪い笑みを浮かべていえば、心外だというふうにベスは眉をひそめた
けれど、とディンは思う


