魔法学園‐メディア‐




自信ありげにヴォルフに返したフェイトだが、クラスメイトの対応は違った


フェイトは決して超人ではないため、何メートルも飛ぶ事など出来ない
派手に演習場に降り立ったヴォルフとは違い階段で降りれば、励ましの声をかけられる


「がんばって!」

「とにかく守れよ!ヴォルフは手加減出来ないやつだからな」

「ダァー!前とは違うって言ってるだろ!!」


はやしたてるクラスメイト達に怒鳴ってから、足早に階段を降りていく


皆、フェイトを甘く見ている
しかし、とフェイトは考える


それは事実だ
基礎魔法すら使えないのなら、そう思われても仕方ない

だが、フェイトは前とは少し違う


不敵に笑ってフェイトはヴォルフの前に立った



*******



ベステモーナはブラッドと共に観戦席に上がる
ディンが笑って手を振るので傍に腰をおろした


「お疲れ様」

「どうも。それよりフェイトとはどうですか?」


ツンとした態度でディンとブラッドを見たベス
下からディンがフェイトの隣に居たのを見ている


「ベスって、けっこう意地悪なんだね」


どうでも良さそうにため息をついたディンをベスは睨んだ


「どちらもぐずぐずとしているからです」

「どっちが……」

「何ですか?」


揶揄するように呟いたディンを冷たく見やる
諦めたように一つ息をついてディンは言った


「したよ……『仲直り』でも、フェイトは馬鹿だよ」

「貴方達もだと思いますけど?」

「ベステモーナもね」


人の悪い笑みを浮かべていえば、心外だというふうにベスは眉をひそめた


けれど、とディンは思う