1年生の薬学科や魔術式学科の生徒は魔方陣を使わなくては魔法を使えない
例外は幾らかいても、詠唱魔法を全ての生徒が出来るわけではないのだ
そのため、直ぐに魔法を行使できる武術学科の生徒と当たってしまうと勝負にならない
故に、事前に魔方陣や魔法薬を用意して置かなくてはならない
「………聞いてない」
「くじが後の対戦に当たるように祈るしかありませんね」
薬学科のレクルは腰に巻いたベルトに幾つもの小瓶を下げている
透明な小瓶の中にはオドロオドロしい雰囲気の液体が入っている
表情はいつもと変わらないが、薬品を使える事に興奮しているのかレクルは薄い羽がパタパタとさせていた
ため息をついたフェイトの横顔を見上げてレクルは首をかしげる
「仕方ないな……」
声の調子はどこか弾んでいた
「早速試してみるか」
好戦的な光を瞳に灯らせて、フェイトの金色の瞳細められた
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「第1回戦は、ベステモーナ・アイスバーン対ブラッド・サバティエ!」
ウィリス先生の言葉に呼ばれなかった生徒は演習場の外側を囲むようにしてある石段に下がる
観戦するための場所だ
その一つに腰をおろしたフェイトに声がかけられる
「どっちが勝つと思う?」


