「あんなの初めて見ましたけど……とても面白い物なので、徹夜で調べてしまったです」


フワリと微笑むウル・ルウ
本当に楽しそうだ


ため息をついて、幼い子供と大人程違う身長差を埋めるべくアンジーは屈んでウル・ルウと視線を合わせた


「あの……魔法具のこと……わかったら彼らに伝える約束をしたですけど?」

「それは、できたら今は止めて欲しいのだけどな」


彼ら、とはフェイトのことだろう
少し前にフェイトの髪飾りの事を聞きに行ったとき、何か分かれば連絡すると言っていた

アンジーがいえばウル・ルウはいつもと同じ調子でいった


「なら……なぜあの子があんなものを持ってるのか教えてくれます?そしたら言いませんけど……?」

「……仕方ない、君には事情を話すよ」


赤い唇に人差し指を立ててアンジーは囁くように言った


「君が察している通り、あれは空の賢者が作った魔法具だ」


(え!?)


ベスは声なく驚愕する
空の賢者は秘密主義であまり公共の場に姿を現さない


そんな人物とフェイトにどんな関わりがあるのか?



「けど、それをあの子が身につけていると知られるのは非常にまずいんだ」

「……それは……彼が弱いことと関係しているのですか?」


クスリとウル・ルウは笑った
次に囁かれた言葉にベスは息を呑んだ




「彼は魔力を封じられているのでしょう?」