それから、アパートでのことを話そうとしてまたベスは口籠もる
ジェイミーは辛抱強く待っていてくれた
すこし、頬を赤らめながらポツポツとフェイトの前で泣いてしまったことを話す
「不覚にも彼に涙を見せてしまうなんて……それから少し彼を見てると変な感じが……」
「………フフ」
ジェイミーがクスリと笑うのでベスは軽くねめつける
「なぜ笑うのです?」
「だって、ベステモーナが可愛いから……変な感じってどんな感じなの?」
ベステモーナは胸の辺りを押さえて心底不思議そうに首をかしげた
「……よく分からないの。何だかこのあたりがムカムカ?して……あっ、そう言えばリーバとフェイトが抱きついているのを見ると……ずきずきに変わります」
一つ瞬いて、ジェイミーはあれっと首をかしげた
(それって……)
「もしかして、ベステモーナはリーバが男の子だって知らないの?」
「いいえ。最初は女の子だと思って、なんてはしたない!と思っていましたけど」
「………ベステモーナ……リーバが女の子だと思ってた時、どう思った?」
「そうですね……スゴくムカッと来ました。何故でしょう?」
ジェイミーは自分を落ち着かせるために居住まいを正す
ベステモーナは自分の気持ちの根本的な原理をわかっていないようだ
どこから話せばよいのかわからず、一呼吸おいて少しづつ話そうと試みる
「あっあのね、ベステモーナ。それは一種の独占欲って言ってね……」
ベスはキョトンとした顔でジェイミーを見つめ返す


