魔法学園‐メディア‐




集会はすぐに終わり、クラスメイトからは激励の言葉をもらい、肩を叩かれ祝福された

やったな、運がいいのね、これで最下位脱出だな、と納得いかない言葉で送り出される


ベスは「良かったですね」と素っ気なく言って、ジェイミーを連れて足早にどこかへ行ってしまった


ポツンと講堂に残されたフェイトはガシッと肩を捕まれゆっくりと振り向く
眩しい程の微笑みを携えて、安部の黎明は言った


「よろしゅうな、フェイト・クロウリーはん」

「……………はい」


クラス対抗戦も一段落つき、少しは羽をのばせると思いきや
これからまた、フェイトは特訓漬けになるのだろう

それは考えなくてもわかってしまった



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フェイトが途方に暮れているころ、ベスは学園のカフェテリアにジェイミーといた


「ベステモーナ、何かあったの?」


席について10分
何も切り出さないベスにおずおずとジェイミーは言った
しばらく言葉を濁していたベスも意を決したようにジェイミーを見据えた


「……………実は」


ベスはデスイーターの一件を語った
あの日何があったかを


話を聞いていくうち、ジェイミーの顔は青ざめていく
よく生徒だけで、デスイーターに襲われて生き残れたものだ


「それに……魔法騎士が2人、私達を助けたの。でもアレは何か他の目的があったように思うけど……」

「……目的?」

「そう……何かは分からないけど、魔法騎士ともあろう人達が都合よくその辺を歩いているはずないですし」


緊迫した空気、アンジェリーナ先生と話していた内容から考えると、メディアに来たのは何か別の目的があったように思う