「寒いな…」
フェイトは学園に向うためにアパートを出た
メディアは比較的気候の穏やかな場所を選んで飛行しているため、劇的に暑かったり、寒い場所にはいかない
それでも季節は秋を終えようとしていた
昼間はそうでもないが、朝晩はそれなりに冷え込む
「今日は珍しく大講堂で集会があるそうですね」
ベステモーナも軽く息を白く吐き出して出てきた
ベスの言葉に曖昧な返事を返してアパートの方にフェイトは視線をやった
いつもなら、ディンが学園に向かうフェイトについてくる
ブラッドも最近は一緒に登校していた
「先に行ったようね」
「…あっ、あぁ。俺たちも行くか」
何かを察しているベスの言葉に素っ気なく頷いて、足早に学園に向かった
デスイーターの襲撃の夜以来、ディンもブラッドも何故かよそよそしい
その事実に鼻白みフェイトはむっつりと足を進めた
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拗ねたようなフェイトの背中を追いながらベスは訝しんだ
ディンとブラッドの事だ
(あの2人……怪しいわね)


