メディアという一つの学園都市をぐるりと囲む外壁にはちゃんと正門が存在する
外壁から空にかけて、球状にデスイーターや侵入者を防ぐための結界が張られている
しかし、完全ではないため穴を見つけてデスイーターは侵入してくるし、よほどの力を持ったものなら結界は意味をなさない
その日、正門から正式な通行許可を得てメディアへ足を踏み入れる者がいた
「おぉ、ほんまに都市どすなぁ」
感嘆したように呟かれた言葉は聞き慣れないなまりがあった
背の高い男は物珍しげに辺りを見渡す
「あの子の関係者がほんまにおるんか……」
最後の言葉には少しだけ苦いものが混じった