「アンジー、今日は本当にご苦労様でした」
クラリスの第一声に紫暗の瞳を瞬かせる
「……私を……お叱りにはならないのですか?」
「あら、私がなぜ?」
ニコニコと微笑むクラリスにアンジーは焦る
「なぜって……!私は闇の使者をメディアに入れる口実を……」
「あれは貴女の責任ではありませんよ」
「……ですが!」
「アンジェリーナ」
諫めるように、少し強めに言われた言葉に口をつぐむ
「貴女もあの2人の忠誠心は知っているでしょう?いずれにせよ、時間の問題でした」
闇の使者……闇の賢者に仕える2人の魔法騎士
アルドワーズとソルトは絶対的に主である闇の賢者を崇拝している
その主が望んでいる事を立ち入りを許可されないからといって諦めるはずがない
カタリと立ち上がり、クラリスは高くなった月を窓辺に近づき見上げた
「もうすぐ、なの……」
「クラリス様……」
「貴女の望む日も、あの子の運命が動きだすのも……」
もう、すぐそこまで迫っている