ピチャッと水の滴る音がする
リーバは結った髪を解いて洗面所にいた
左腕には乱暴に巻いた包帯
手当てを拒んだリーバはマインドコントロールで医療班に包帯だけ巻かせた
しかし、それを後悔する
「たくっ……面倒な性(さが)だな」
荒い息に、自然と口調も荒くなる
ズルリと洗面台を背にして座り込む
左手首を右手で掴んで力を込めた
ピンポーン
インターホンの音がしたが立ち上がるのが億劫で無視した
しかし、客人は無遠慮にドアを開け入って来る
2人分の足音
リーバはその気配に気付いて眉をひそめた
しばらく何かを探していた足音は洗面所に向かってきた
開かれた扉を見上げてリーバは嗤う
「ボクを笑いに来たの?」
1人は表情を動かす事無く、もう1人は遠慮なく笑った
「だから言ったでしょ?フェイトにちょっかい出すなって」
そこにはサバティエ兄弟が立っていた


