魔法学園‐メディア‐




「もちろん、それも1人で出来た訳じゃないかもしれない。ディンやブラッド、リーバが援護してくれたからな」


けどな、とフェイトは笑ってみせた
幼さの残る金の目元が優しく緩む


「ベスは俺達を守ってくれた」


ベスは、1つ瞬いた


「お前頑張り過ぎ。俺の基準で言うけど、もっと周りを頼っても良いと思うぜ。俺は頼ってばっかりだけど……」


ゆっくりと、ベステモーナはフェイトの言葉を染み込ませていく


「でも、俺はお前の味方だし。今回、コレだけで済んだのはベスが頑張ってるからだ。……ありがとう」



最後の言葉がストンと頭に落ちてきて、ベスの涙腺は決壊した

ボロボロとこぼれ落ちる涙にフェイトがギョッとする気配がした

拭いもせずに嗚咽を漏らせば少し戸惑ってから、ベスの頭に優しく暖かい手が乗せられた


何も言わず、ただフェイトはベスが泣き止むまで傍に居た





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当たり前だった


完璧な事が


1番でなくてはならなかった


フェイトの言葉は優しかった……………