ベステモーナの端整な顔が悔しさで歪んだ
「フェイトが叫ぶまで、デスイーターの接近に私は気付かなかった。……油断してたんです。デスイーターとの交戦が少ないとはいえ、私は学園生活に浸りすぎていた。そのせいで、皆に怪我を」
一気にまくしたてたベスは息をするのも忘れてしまったように喋っている
フェイトは苦しげに瞬くベスの視線の先は自分の怪我をした手だと気付いた
「……ベス」
「…何ですか!?」
意志の強い青色の瞳は揺れている
フェイトは静かに言った
「お前……何言ってんの?」
「何って」
「だから、」
苛立った様子もなく、ただ静かにフェイトは怪我をした方の手をベスに差し出した
「なぁ、確かにベス達の基準じゃ、油断していたのかもな。でも、俺がアイツらに気付いたのはたまたまだぜ?」
フェイトは小さく息をつく
自分で言っていて情けなくなるからだ
「それに、俺の怪我がこのくらいで済んだのは誰かさんが魔法で結界を作ってくれたからだ」


