ベステモーナは自室でシャワーを浴びながら自分の身体を見下ろした

傷のない白い肌
今夜のデスイーター強襲はあり得ない事ではなかった

いくら風の賢者に守られようとも、絶対に安全なものなどないのだ


正直、油断していた
外と比べれば、やはり少ないデスイーターとの交戦
和やかな学園生活はベスにわずかに隙を作っていた


それは命取りとなる隙だ


けれど、今回怪我もせずに帰って来れたのは……


(……まだ起きてるかしら)


熱いシャワーを止めてベステモーナは浴室を出た



*******



あのサイレンが嘘のような静かな夜にフェイトはなかなか眠れずにいた
ベッドに仰向けになってはいるが、眠れる気はしない


どうしたものかと考えているとフェイトの部屋のドアを叩く音がする

すぐに飛び起きて扉を開ければ、そこに白いワンピースを着たベステモーナが立っていた

驚いて目をパチクリさせていると、ベスから口火を切った


「夜遅くにごめんなさい。少し話せるかしら?」


フェイトはベスの青い瞳を見て答えた


「……あぁ」