どことなくひそめられてはいたが、フェイトが視線を合わせれば驚いたように片眉を上げた

灰色の瞳がフェイトを興味深げに見てすぐにそらされる

気にはなったがソレよりも、今回の自分の腑甲斐なさに絶望してしまう


(もっと……俺が強ければ)


沈み込むフェイトの思考に、いつか聞いた金属の弾ける音がした


パキン


それに顔を上げたが、特にかわった様子はなかった



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「アレが主の捜し物か?」

「そうみたい……」


メディアの者に逗留先を案内されながらアルドワーズとソルトは呟いた

今回のメディアへの接触は彼らの『主』の捜し物を確認するためだ


「にしても……アレにそんな価値があるのかね?」

「……ワーズ、俺達は黙って仕事する」


ソルトは何にも興味はないが主の言葉だけを絶対の真実と考えている


「わかってるよ。ただ、ここには面白そうな奴がたくさんいるなって思ってさ」

「……純血の子供とか?」


ハッとワーズはおかしげに笑った


「ソルトも気付いたか!黄緑がかった金髪。耳も長いし、あの色はアルフヘイムの純血特有の色だぜ?」


クツクツと笑って最後にアルドワーズは独り言のように呟いた


「掻き乱したくなるじゃねぇか」